かかりつけの薬局とは？

　病院や診療所の窓口で「処方せん」をもらい、近くの薬局に持参して薬を調剤してもらうやり方を「医薬分業」といいます。

　薬局はどこでも好きな保険薬局を選べますが、「基準薬局」などの表示があればより安心です。また、調剤とは、薬局の薬剤師が処方せんに書かれた薬について、飲む量や薬の組み合わせなどについて問題がないかどうかを確認してから、たとえば粉末の薬の場合には、秤量・混合して、一回分ずつの量に分包したりすることです。

　薬局の薬剤師は、医師と協力して患者さんに薬を正しく服用してもらえるようにアドバイスも行います。これを「服薬指導」といいます。薬を正しく服用することで、より良い薬効と安全性を得られるからです。この時、皆さんも薬のことでわからないことや気になることなど、何でも気軽に薬剤師に相談してください。

　また、薬剤師も薬をより安全に使っていただくために、アレルギーなどの体質のことや今服用中のほかの薬（大衆薬も含めて）のことなどをお尋ねするとともに、それらを記録しています。これは「薬歴簿」といい、薬の飲み合わせ、安全性、有効性などのチェックなどに不可欠なものです。

　こうして、気軽に相談できる薬局をあなたの「かかりつけ薬局」に決めると安心です。なお、「基準薬局」というのは、薬剤師会が作った制度で、患者さんが持ってこられる、いかなる処方せんも拒否せず調剤する薬局の目印ですので、薬局選びの目安にしてください。

　薬のことで、わからないこと、何でも気軽に相談に乗ってくれる薬局があると安心ですよね。
薬局の薬剤師は、お医者さんのカルテと同じように、病院や医院で発行された処方せんで、調剤した薬のことを記録しておきます。また、アレルギーなどの体質のことや、購入された大衆薬のことも記録しています。これは「薬歴簿」というのですが、薬を間違いなく、正しく服用してもらいたいためなのです。正しく服用することにより、より良い薬の効き目と安全性が得られます。

　このH2ブロッカーは、今までお医者さんが処方する場合だけ使用される医療用のお薬だったのですが、これからは大衆薬として、医師の処方せんなしに買えるようになりました。H2ブロッカーのHとは、ヒスタミンの略です。胃の粘膜の胃液分泌を促進するヒスタミンの作用を抑制することからこの名が付けられました。

　また、例えば別々の病院から処方せんをもらった場合でも、別々の薬を同時に飲んでよいかどうか、つまり、薬の相互作用があるかをチェックをします。あるいは、同じ効果のある薬がダブッてないかなどもチェックをして、心配なときは、病院や医院に問い合わせ、医師と相談します。

　このように「かかりつけ薬局」は、あなたの代わりに薬の情報をすべて管理してくれる、「薬の見張り番」と言ってもいいでしょう。ぜひ、皆さんの家でも「かかりつけ薬局」をもって、薬のことなら何でも気がねなく薬剤師に相談できるようにしたらどうでしょうか。

　最近は、高齢化社会ということで、お年寄りのことがいろいろ問題になっていますが、お年寄りを介護する用品についても「かかりつけ薬局」なら安心して相談に乗ってもらえます。
患者さんと医師との間に心のつながりがあるように、薬剤師も「かかりつけ薬局」を通じ、心のつながりを求めています。

　薬局の薬剤師は、薬を正しく飲んでもらえるように、いろいろ話しをします。その目的は、患者さんの薬を飲むことに対する不安感を取り除き、治療に積極的になってもらい、薬の治療効果を上げるためなのです。ですから、不安な点や分からないことは何でも薬剤師にお尋ねください。

　薬を間違えることなく飲んでもらうために、いろいろ工夫がなされます。たとえば飲む時間の異なる何種類もの錠剤やカプセル剤が処方されたとき、医師の承諾を得て朝食後、昼食後、夕食後、寝る前の服用する薬をそれぞれ1回分ずつまとめます。この1包化という方法で、薬が余ったり足らなくなったりするといった薬の飲み違えを防げるうえ、服用が簡単になり、とくに、お年寄りに喜ばれます。飲み方における工夫、あるいは外用剤を上手に使用する工夫もいろいろありますので、薬剤師に気軽にご相談ください。

　かかりつけ薬局では、薬の説明だけでなく、日常生活で気をつけることや食事療法についても適切にアドバイスします。また、最近では薬剤師の在宅医療における役割が認識されています。いくつかの薬局では在宅医療をしている患者さんへ、薬の飲み方の指導が始まっています。在宅医療については今後、薬剤師もその一員として市民一体となった活動が期待されています。

　今、医療は施す医療からサービスの医療へと質の転換が行われています。薬剤師が患者さんのために処方医と協力し、より高い治療効果を上げるところに医薬分業の原点があります。
薬剤師は良質のサービスを目指しています。