薬剤師とは?
お医者さん、看護師さんの仕事はよく知られていますね。でも、薬剤師が何をしているのか、答えることのできる人は少ないのではないでしょうか。
薬剤師というと、「近所の薬局のおじさんあるいは、お姉さん」ぐらいしかイメージできないかも知れません。でも、それだけではないんですよ。
病院や薬局で薬の飲み方をくわしく教えてくれたりする薬剤師もいれば、製薬会社で薬の研究や試験をしたり、薬の製造や公衆衛生の仕事に携わったりと、いろいろなんです。
美浜区の総合保健医療センターの3階にある一般社団法人千葉市薬剤師会の活動を紹介することで、「薬剤師ってそんなこともやっているのか」と分かっていただきたいと思います。
皆さんの中には、総合保健医療センターの休日救急診療所や市立海浜病院の夜間救急診療所のお世話になった方もいるのではないでしょうか。 薬剤師は、そこでの薬局に当番で入って薬を作り窓口で薬の飲み方や何の薬かなどを説明しています。
また、小学校や中学校、高等学校での環境衛生として飲み水やプール、教室の明るさ、給食室などの検査を薬剤師が分担して行い、学校薬剤師として児童生徒の健康に力を尽くしています。
そのほか、市の防災訓練にも千葉市薬剤師会として参加しますし、覚醒剤などの薬物乱用防止キャンペーンにも参加し、薬剤師としていろいろな所で皆さんの健康にかかわっています。 実は、これらのことは、「薬剤師倫理規定」というものの中の一文「薬剤師は調剤、医薬品の製造、保管、鑑定、試験等の医薬品取り扱い業務に加えて、 薬業衛生を司ることにより国民の健康保持に寄与しなければならない」にかなった活動でもあるのです。
テレビで薬剤師という言葉がよく聞かれるようになりました。胃腸薬のH2ブロッカーのコマーシャルで「ご購入、服用に際しては医師または薬剤師に相談してください」と言われているのです。
このH2ブロッカーは、今までお医者さんが処方する場合だけ使用される医療用のお薬だったのですが、これからは大衆薬として、医師の処方せんなしに買えるようになりました。 H2ブロッカーのHとは、ヒスタミンの略です。胃の粘膜の胃液分泌を促進するヒスタミンの作用を抑制することからこの名が付けられました。
このような医療用の医薬品が、一般薬に転用されたものを「スイッチOTC」と言います。スイッチは「切替」の意味。 OTCはオーバー・ザ・カウンターの略称で、薬局・薬店でカウンターを間にして薬剤師と相談しながら購入する薬のことです。
このようなH2ブロッカーに代表される「スイッチOTC」の服用にあたっては、十分な注意が必要です。 例えばH2ブロッカーの使用上の注意では、「血液の病気、腎臓や肝臓の病気にかかっている方は服用できません」とか「今までお薬でアレルギー症状を起こしたことがある方は薬剤師にご相談ください」 「3日間飲んでも症状が良くならないときは、医師・薬剤師に相談ください」というものです。 「スイッチOTC」は、切れ味の良い効き目の反面、副作用も心配なので、購入にあたっては、必ず薬剤師と相談してください。
今、「セルフメディケーション(薬の自己管理)」が求められています。H2ブロッカーは、これまで医師が内視鏡検査で胃潰瘍(いかいよう)などを確認してから処方されていた薬です。 このような医薬品を飲むときは、どんな薬効があり、どんな副作用があるのか知っておく必要があります。
製薬会社も、消費者向けの注意事項などが分かりやすく書かれた小冊子を販売時に付けるようにして安全に気を配っていますが、是非とも服用にあたっては薬剤師にどんなことでも気軽に相談してください。 くれぐれも、よく効く薬だからといって、家族や職場内で飲み回しなどしないようにお願いします。
このように、薬の自己管理や処方せんに基づいて調剤された薬を安心して飲んでいただくための情報センターとして、薬剤師を利用していただきたいと思います。